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魔法のヤカン
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「大丈夫、魔法のヤカンだから」

煤けたヤカンをレジに置いて、店長らしきオジサンは言いました。

このヤカンを購入したのは、数ヶ月前の夏日のこと。

ずっと、好い感じのヤカンを探していました。

それでもなかなかに出会えず、ホームセンターやらスーパー、百貨店などを廻り尽くしていました。

この日も数件のホームセンターを自転車で廻った帰り道。信号待ちの交差点で、いつもは素通りしている

リサイクルショップの看板が目に留まりました。

ハッキリ言ってしまえば、ゴチャゴチャで古汚ないガラクタばかりのお店です。

以前に二度ほど入ったこともありましたが、これといって魅力ある商品には出会えていません。

かび臭く蒸し暑い店内では、キジの剥製ばかりがずっとこちらをうかがっています。

それでも信号待ちの間だけと思い、狭い店内を息を止めて廻りました。

息が尽き、かび臭い臭気を吸い込んでしまった時でした。

大きな寸胴鍋の横、うず高く積まれた中華どんぶりとの間に、ブロンズ色の鼻先が見切れていました。


それがこのヤカンとの出会いでした。


とにもかくにも、手に取って見てその汚さに目を丸くしました。

どこもかしこも煤だらけで、特に内側などは赤黒く変色していましたし、底の部分などはどうやってぶつ

けたのか首を傾げるくらいの凹みがいくつもありました。

申し訳なさそうに付けられた値札には、\1000とありました。


今思うとよく買ったなぁと我ながら感心しますが、私はそのヤカンを手にしたまま、店員を呼んでいまし

た。

これ水漏れしませんか?

と尋ねたと思います。売り物のヤカンに対する言葉ではありませんが、ついそう口にしたくなる程、

ヤカンは煤け、凹んでいたのです。

「大丈夫、魔法のヤカンだから」

奪うように私からヤカンを取って行った店長とおぼしきオジサンは、レジにつくなりそう言いました。

水漏れに対する答えにはとうてい聞こえなかったものの、財布から千円札を引き出すには十分な答えに思

えました。


袋に入れてもらえばよかったな。

そう思ったのは、既に我が家が見えてからでした。ブロンズ色に放散された夏日の日差しが目にうるさか

ったからです。


たわしが一つ、駄目に成りました。

一時間は磨いていたと思います。磨いても磨いても、とめどなく黒い煤が出てきました。


ブロンズ色だとばかり思っていたヤカンは、実は明るい黄金色でした。


あれからほぼ毎日、グツグツと染料を沸かし続けています。

8リットルも入る、丈夫で大きなヤカン。

相変わらず底は凸凹ですが、欠かせないし、使うことが一々嬉しいヤカンです。


ただの古びたヤカンに、これだけ思い入れしている人間がいると思うと、あの店長の言葉もあながち…。

なんて思えるこの頃です。


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by yurunami6 | 2007-11-25 17:07 | モノのこと
秋色散歩
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ちょっとコンビにまで・・・と家を出ましたが、天気が好かったのでそのまま散歩へ。
私の住む街には樹林公園という大きな公園があって、春夏とよくここを訪れる私ですが、秋から冬にかけては足が遠のきがちです。約一月半ぶりに訪れた公園はすっかり色合いが変わり、既に冬色でした。

公園の入り口付近にある一本の木を撮りました。夕方でもないのに、すっかり影が伸び切っていました。こんな所にも、冬の軌跡は確実にやって来ています。
芝生に膝をついて撮影していると「何撮ってるんです?」と小さな岡っ引き風のガードマンさんが話しかけてくれました。「影です・・・エへへ」と思わずヘンテコな笑いを返していました。
警察官やガードマン等の制服組に声を掛けられると、ついつい挙動不審に成ってしまいます。悪事など働いていないのに。
岡っ引きさんが、公園の奥に真っ赤なモミジが三本並んでいると教えてくれました。
話が長く成りそうだったので、そうそうにありがとう御座いましたと告げてその場を脱出。こういうお爺さんに捕まると20分は話しこまれますから。けれど、こういう人はけっこう好物です。

モミジに向かう道すがら、シャリシャリと落ち葉を踏みながら進みます。積もった雪のギュムギュムという感触も好きだが、落ち葉の絨毯も好し。

あらわれました。ん~っとばかりに猫背を伸ばしています。
のそのそと近づいて来て、三白眼でひとにらみ。私のすぐそばに着地。
自ら近寄って来たくせに「それ以上近づくな…わかってるな…触るなよ」とでも言いたそうな、張り詰めた空気が…。
一見寝ている風ですが、せわしなく動く耳がレーダーのようでした。

猫の次はモグラです。姿はうかがえなくとも、お仕事跡はてんこ盛りです。
土山を星座のようにつないでみると、何だか地中のトンネルが想像できそうです。

ありました。モミジ真っ赤です。
青葉の頃のみずみずしい楓が好きですが、やはり燃えるような赤も好いです。
奥まった所にあるので、岡っ引きさんが教えてくれなければ見逃していたかも知れません。感謝です。

拾ったモミジを撮ったら、モミジの中指から白猫が出て来ました…。

公園の最奥地にある雑木林。
以前は木々が密集しすぎていて、光が差し込むことはありませんでした。けれど、間引き作業が進んでからは、しっかり下草が生えています。
至る所にある切り株はどこか悲しげですが、今では尺八、横笛、バイオリン、ギター等を演奏しに来る人々の腰掛けに成っています。中にはウッドベースを爪弾いている人もいました。
光の抜ける雑木林。夏には信じられない程の蝉の抜け殻が、木肌を覆います。抜け殻は飴色で、光に透かすと綺麗です。その造りの緻密さにも目を奪われます。
手に取ると、クシャリと簡単に潰れてしまいます。

ここで、ケイタイの充電が切れました。
その後、二つの驚きの場面に出くわしましたが、写真を撮れずに唇を噛み締めました。
一つ目は、飛行船と昼間の白月との頬ずり。
こんな場面には出会えませんからねぇ…私が見上げる場所からは、完璧に頬ずりしているように見えました。残念…。
二つ目は、山男バリの立派なあごひげを生やした高校生!なんでっ…と目を疑いました。それも色白ぽっちゃりメガネ君なのに…。
この時ばかりは、ひ弱な充電池を恨みました(もちろん、そんな高校生に写真いいですかぁ~なんて気さくに声を掛ける勇気はありませんが)。
もともと散歩に出掛けるつもりは無かったのと、服装も薄着な上、充電も足りませんでしたから仕方ありません。
万全の冬支度と充電満タンで、再び訪れることを誓った午後でした。
文章が長くなってスミマセンでした。完全にわたくしごとに成ってしまいました。ここまでお付き合いして下さった方があれば、深く感謝いたします。


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by yurunami6 | 2007-11-21 17:11 | 散歩・散策
野口みずき選手
フリーマーケットは無事に終了致しました。
おこし下さった方々、ありがとう御座いました。

日中は小春日和で、とても心地好かったです。
終わりの頃になって、北風が吹き始めてからは寒さに身を強張らせましたが。
ちょうどフリマが行われていた神楽坂下を、東京国際女子マラソンの選手達が走りぬけて行きました。
目の前をトップで走り過ぎた野口みずき選手、凄かったです。
【飛びが違う…】
どこぞのゴルフボールのCMコピーみたいですが、本当に跳びが違いました。
一歩一歩のストライドが、とにかく長い。
身長わずか150センチの野口選手のストライドの方が、二位を走っていた身長170センチのケニア人選手よりも長かったですから。
ピョンピョンとまさに飛ぶ様に走っていました。
35キロ地点であの走りが出来るんですから、本当に強いですね。

※フリマで在庫を減らした為、欠品が出て虫食い状態に成っています。申し訳御座いません。
すぐに染め足してゆきます。


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by yurunami6 | 2007-11-18 17:21 | 日記
富士山はやっぱり美しい
今朝は久しぶりの快晴です。
我が家は九階なので、毎朝窓を開けて一番に富士山を探します。
ここのところ姿が観れなかったのですが、今朝は中程まで純白をかぶった姿で、他の山々を従えるように鎮座していました。
江戸時代には富士山信仰というものがあったそうですが、分かる気がしますねぇ。
神々しさが感じられますからね。
さて、本日は久しぶりに染めの作業に入ります。
ここのところ、パソコンに嚙り付きだったので、何だか嬉しいです。
富士山と青空に手を合わせてから、作業に入ります。


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by yurunami6 | 2007-11-12 17:23 | 日記