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大琳派展
東京・上野の東京国立博物館へ来ました。

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一人で美術館や博物館に来るのは随分と久しぶりのこと。
さっそく門を通って、本館の左奥にある平成館へ。

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結構大きな建物です。
何だかワクワクして来ます。

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ついに来ました。
大琳派展!

正直、琳派好きな私は図書館などで琳派系の本を読み漁っていたので、今更行かなくてもいいかなぁ…。
などと思うところがあって、開催から一月以上経っても足を運びませんでした。
それでも、いざ展示終了が迫って来ると、やっぱり本物を自分の目で見なきゃ駄目だ!
と考えがまとまりました。
決断してしまえば、実行は早いたちなので、その数時間後には電車に乗っていました。
それも、開催から一月で来訪者が二十万人を突破したと聞いていたので、少しでもすいているだろう平日の午前中を狙いました。

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中へ入りエスカレーター上りきったところ。
この重厚感。たまりません。

ここから先の展示会場は撮影は禁止とのこと。
やっぱりなと思いつつ、網膜にしっかり焼き付ける事を誓って、鼻息荒くいざ入場。

会場に入るなり、いきなりの【風神雷神図屏風】四つ並び!
俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一・鈴木其一のそれぞれが描いた屏風が一堂に会して展示!

ありえない…。感動…。
来て好かった…。
身震いを感じながら、四百年を越えた年月を思いました。

ここで触れておきますが、琳派(りんぱ)とは代々受け継がれてきた画派ではなく、中心人物の尾形光琳が本阿弥光悦・俵屋宗達を尊敬、師と仰ぎ、その光琳を酒井抱一らが慕うという特殊な形で継承されてきた一派です。
※パンフレットから一部転載させていただきました。

なお、琳派を代表する六人。
光悦・宗達・光琳・乾山・抱一・其一は、同じ江戸時代に生きた人物といっても、それぞれに江戸前期・中期・後期に活躍しています。

年月に空白があった。
光悦・宗達 ⇒約100年⇒ 光琳・乾山(兄弟) ⇒約100年⇒ 抱一・其一(弟子)
つまり直接のつながりがなく、今でいうところのリスペクトってものを百年前の人物達に抱き、師と仰いで芸術活動をしていったということです。

このあたりが変わってますよね。

俵屋宗達が描いた風神雷神図屏風。
それを写した光琳。
その光琳の絵を写した砲一。
師のあとを受けて襖絵にした其一。
その四つが今、目の前に…。
もう感動以外に何があるでしょう。
全てを見渡せる位置に立ち、しばらく眺めていました。

「よ~し、一つずつじっくりと観ていこう」と一番左手の宗達の屏風に向かった時、はじめて気付きました。
なかなか屏風に近付けません。
そう、めちゃくちゃ混んでましたっ!

もう物凄くです。

屏風は少し高い位置に展示されているので、遠目ではよく見えていましたが、近付こうとすると人だかりに弾かれるばかり。
祭りか~!
と心で叫びながらも、諦める訳にはいきませんから、一番左の列らしきものの最後尾に。
そこから徐々に右へと人だかりは流れてました。
じれったいほどゆっくりと…。

やっと雷神の目の前まで来て、食い入るように見ようとしても、立ち止まることは許されず、左隣の方達に靴をガツガツ蹴られて押し流される始末…。
もっと見たいのにぃと奥歯を噛みつつ、今度は風神の前に流され、再びガツガツ…。ああ、さよなら風神さん。
と別れの挨拶をする間もなく押し流される。
幼かった頃、上野のパンダを見に行った頃を思い出す。

仕方がないので、列から外れて人だかりの後方からゆっくりと見ようと方針を変更。
展示の前の列は三列ほどあって、その外側に私と同じような考えのジックリ派が人だかりを作っている。
年配のご婦人が多い中、174センチの私は比較的見やすかったが、それでも時折、長身のおじい様のうなじにキスをしそうになったりもした。

より良く見る為に背伸びばかりをしていたせいで、自慢のふくらはぎは直ぐに悲鳴を上げました。
はたして、休日に来ていたらどうなっていたのだろうかと考えると、ゾッとした。

展示品は思っていたよりも多く、かなりの数だった。

全て見終わるのに三時間を要した(何度も戻って観たりしたからかも…)。
それでも、興奮は最後まで治まらなかった。

今まで光琳ばかりに注目してきたが、ここへ来て抱一や其一の繊細さ。宗達の力強さや大胆さなど、新たな魅力を発見できた。
それと全員に言えることだが、素晴らしかったのは構図の妙だ。
「うまいっ!」と思わず拍手したくなる作品も多数あった。
そんな時、背後から「これ、なんでも鑑定団で出てたわよ」とか初老の奥様同士の会話が聞こえてきたりしますが、気にしません。
「これ国宝ですけど…」なんて一々つっこんだりもしません。
こういう優れたものを眼にしたら、人と話したくなるのは当然ですから。

今回は一人で訪れたので、自由に動き回れる利点はありましたが、誰かと感動を共有するという楽しみは味わえませんでした。

最も観たかった二品、光琳の燕子花(カキツバタ)図屏風と紅白梅図屏風は今回、展示期間が終了していて見る事が出来ませんでした。
それが残念でなりませんが、いずれも東京の美術館所蔵ということなので、いつか見に行きたいと思います。
カキツバタの方は五千円札の裏にありますけどね。


全体を見終えた後の感想ですが、やはり素晴らしい。
これだけの物を国内外から集めてくるのは大変なことだったと思います。
まさに日本の至宝でした。
関係者の皆様に感謝したい気持ちです。

三時間をかけて見終えた後、しばし休憩をし本館の常設展示を観て回りました。

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土器
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円山応挙
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鈴木春信

こちらは全て観るのに二時間かかりました。

全五時間。
くたびれました。
もうお腹一杯といった感じです。

最後にミュージアムショップで春信の絵葉書を二枚買いました(琳派に来たのに!)。

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春信好きなんです。浮世絵では一番好き。
実物を見れて嬉しかった。
また、広重も観れた。

今回来て、本当に好かった。

琳派に興味を持たれた方は、今週の日曜日まで開かれていますから是非訪れてみて下さい。

今回は光琳の生誕350周年記念ということですから、次があるかどうかは分かりませんからね。

ただ、大変な混雑は免れないと思いますので、御覚悟を!


日曜日と言えば、またフリマに参加しますのでお近くに来た方は是非お寄り下さい。
場所は飯田橋です。



* 手ぬぐい ゆる波 ネットショップ * 
http://www.yurunami.jp/
by yurunami6 | 2008-11-13 00:20 | 散歩・散策
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